良寛・芭蕉の謎を解く 鉢叩きの残像

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この本は、お友達が書いた本です。
お友達というのは平松さんという人で、
私たちは、彼の名を最近初めて知りました。
名前を今まで、知らなかったのです。

普段お会いするときは、
彼はフーテンの寅さんみたいな雰囲気で、
いつもガラクタばかり買い集めていました。
だから私たちは、ガラクタのおっちゃんと密かに呼んでいました。
でも、手に入れたガラクタの説明をしてくれるときに、
フーテンらしからぬ、きらりと光る説明で、
こやつ、ただものではないな、と思ったことがあります。
私はそれで、このガラクタのおっちゃんの「ガラクタ展」を
いつかお店でできたら面白いかなあと考えたこともありました。

それがそれが・・・
ほんとにほんとの、すごい人だったのです・・・!

なにが凄いのかというと、平松さんの持つ行動力と洞察力、思考力。
そのすべてが瞬発的、偶発的に自然発生し、
それらを組み立て編集するという才能に恵まれ、
恐らくそれは持って生まれたものと、
普段の思考生活の賜物だと思います。

ふと手に入れた「モノ」を何気なく見て、記憶し、
その後のまったく関係のないところでの見聞が、
平松さんにかかると「ピン」とひらめきに変わるのです。
モノ + 出会い + ひらめき = 新事実。

この本と、sala 60~63号は、その知的好奇心とそれを満たしたときの喜びが
ひしひしと伝わってくる、良質なドキュメンタリー番組のようです。
市井の研究家が、探検家さながらに謎解きに挑む姿は
永遠の少年のようでもあり、
無駄な動きをせずとも有鉤打突ができる老剣士のようでもあり。
かっこいいのだーーー。

もともとは学校の理科の先生なので、
方程式を解くように、文学や歴史を解いていくスキルもまたすごいのですね。

ぜひ一読を、してみて下さい。

そうそう、この平松さんという方は、
ご自宅にたーくさん昭和のあれやこれやをコレクションされていて、
「AWLWAYS 三丁目の夕日」という映画に登場する昭和の「モノ」たち、
大半が平松さんからの貸し出しでまかなっていた、というおはなしです。



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by thuchinouta | 2017-02-23 22:01 | book