はらぺこあおむし

今日は三人とも元気に学校へ行きました。
と言うのも、三男が1週間あまりお休みしていたのです。
去年もそう言えば1週間休みました。

病気ではないのです。
お店のお手伝いをしたり、
本を読んだり、
ゆったり過していました。
月曜日には行くと言っていました。

去年はちょっと心配しましたが、
今回は特に大きな出来事でもないような感じでいました。

今日久しぶりに学校へ行ったわけなのですが、
帰宅後はとても楽しそうで、充実した顔をしています。
部活もしてきたみたいです。

そういう姿を見て
私は「はらぺこあおむし」という絵本を思い出すのです。

日曜日の朝に生まれたあおむしが
月曜日から金曜日までいろいろな食べ物を食べて大きくなっていき、
土曜日には食べ過ぎておなかをこわすのです。
そして日曜日にはっぱを食べておなかの調子を直して、
さなぎになって眠り続けて、
目覚めたらきれいな蝶になっているのです。

夏休みも名ばかりでスタディーサポートや部活で、
実際は10日ほどしか休みがなかったし、
夏休みの宿題を仕上げることのストレスで
頭が休まるときもなかったかな。

夏休み後学校が始まって、ほっとしたら
いーちぬーけた!と思ったのでしょう。
一日、二日は涙がぽろりで、眠り続けて、
そのあとは元気にのんびり過していました。

わたし親ばかみたいですが、
三男はすごく心が健やかで大らかだと思うのです。
身を守ることができるんだなあと。
危険を察知して、心の声に従うことができるのだなあと。
ただ散髪に誘うと、
平日に散髪へはぜったいに行けない、と言うのです。
散髪屋さんに学校を休んでいることを
話するのが後ろめたいからなのですね。
適当にうそを言ったりする余裕がまだないみたいです。
愚痴を言ったり、悪い行いをしたりという
アウトプットの仕方を知らないので、
ただただ心が満たされるのを待っている。

はらぺこあおむしが、
欲望のままにいろんなものを食べて、
あれれとおかしくなって、
最後にはっぱを食べて調節するみたいに、
ゆっくり休んで調節するんだなあと。
中学二年生。
ちょうど心も体も大きく変化するときで。

去年1週間お休みしたあとも、
すごく楽しそうに学校から帰ってきたし、
今日もそう。

休んでいてどう思われてるだろうなどとは
考えないみたいですね。

先生には三男のこと、
元気ですが当分お休みしますとお伝えしていました。
先生にはたぶん、分からないと思います。

月曜日には行くと言っていますとお伝えすると、
「あ、月曜日にはがんばって行くって言っていますか?!」
とおっしゃるので、
「がんばって・・・?」
とつい私。
がんばって学校へ行くのかな?
行こうと思うから行くのであって、
がんばって行かねばならないくらいなら、
お休みを続けるわけなのですが。
いやいや、そんな重箱のすみをつつくようなこと言ってちゃいけない。
「はい月曜日は行くみたいです。」

「そうですか!
じゃあ、休んでいた分の宿題をどうこなしていくかは
さっそく月曜日に本人と相談させてもらいます~。」
「え、休んでいた期間の宿題って、イキてるのですね?」
「え?はい!みんなやってますから。」
「みんなやってる・・・から・・・。
みんなというか、うちの三男の学力を心配して、言ってくださってるのですよね?」
「え?はい!みんなやってることはみんなやると言うことで!」
「えっとですから、宿題は学力を定着させるためにあるわけで、
個人個人程度が違うわけで、
宿題と言っても内容も分からずにこなすだけになっても意味がないですよね?
・・・・・・というか、また様子を見ましょうか。」
にこっ!

と電話を切りました。
これからもたんまりと宿題が出る上に、
1週間あまりの宿題も上乗せ。

これじゃ
借金地獄だーーー。

この先生とのこと、
今年度始まってしばらくしてから校舎裏で偶然出会って、
初めて立ち話をした日のことを思い出します。

「こうしてお話するのは初めてですね、
どうですかうちの子何とかやってますか?」
「ええ、友達とも仲良くやってます。
ただ・・・(三男をギロリ)宿題がねえ。
漢字の書き取り200字帳を使わないといけないところ、
三男さんだけ150字帳を使ってるんですよ。
だから一日2ページの宿題なので、
3ページしてこないといけなんですよ。」

私の頭の中では
150という数字は、真っ赤なイチゴ。
200という数字は、青く透明に流れる大きな川。
先生の話を聞いて私には、
とうとうと流れる川に
真っ赤なイチゴが流れていく様子を見た
吉良上野介がすごく怒っている姿が
浮かぶわけなのです。

むむ!
川にイチゴが流れていたら、なぜいけない?
・・・・・・殿中でござる!
後ろから羽交い絞めにされた裃姿のわたくしこと浅野内匠頭。

初対面の大人同士の会話で漢字ノート(そのノートは私が買った)が何文字だとか、
学校をまとまった期間休んでいるときに一番関心を持ってくださるところが「宿題」であるとか、
私は浅野匠頭の気持ちがよく分かりますよ。
三男が、学校に息切れするのもよく分かりますよ。
それで違和感のない人もいれば、
うちみたいに、家族そろってそういう発想とは逆のタイプもあって。
大切だと思うポイントが人それぞれ違うのでしょうね。

じいじいとばあばあは、三男が休んでるとき、
「学校?そんなもん、行かんでもどないもあらへん。」
と倉庫の片付けや何やかや用事を頼んで楽しそうに一緒に過してくれてました。

性悪説と性善説という言葉が浮かびます。
子どもは放っておいたら怠ける、
怠けるのを許してしまうと取り返しのつかない悪人になってしまう。
だから取り締まる。
私はどちらかと言うとやはり孔子の性善説が好きだなあと思ってしまいます。
子どもは、できたら一生懸命何でもしてみたいし、
厳しく導かれたりもしたいし、
面白いこと学んでみたい。
継続は難しいけど、そこは集団生活の力が発揮され。

結局のところ、
学力があいまいなまま宿題をいやいや続けても仕方がないので、
かと言って学校で面倒みてくれる訳でもないので、
長男の通う塾へ三男も行くことにしました。
どうしてそこへ飛ぶの?と思われるかもしれませんが、
結局のところ、そこなのです。

授業のスピードが速くて、
遅れたら取戻しが難しく、
宿題をこなすペースが乱れるとこれまた雪だるま式に膨れていって
未提出だと吊るし上げ。

自分で生活リズムを整えられたらいいのですが、
うちは兄弟が多く、
いつも不可解かつ突発的な「オモロイ」ことが発生し・・・。
なかなか時間のやりくりが難しいわけなのです。

塾に通えることについては、
やはりうれしいみたいです。
ほっとするのでしょうね、
自分でも勉強時間を確保したいのにできないでいることに
失望しているみたいだから。
とうぶんこれで、
人並みまで学力を持っていけたらと思います!

ああ、働けど働けど・・・。
根本的に、私たち、何か歯車が狂っているのですよね~。
仕方ない。
どうにかこうにか、していかないと・・・。

非常識な親を持っていることについては
これはごめん、
あきらめて下さい。

*いくら非常識だと言っても、こういうところにこんなことを書き記すのは
あまり良くないと思いますが、
未来の自分へ過去の自分の過ちを書き残すことと、
それぞれの家庭でいろんなことがあるんだよってお知らせすることで
何かを考えるきかっけとなればいいなと思って
先生にも子どもにも申し訳ないのですが書くのです。
誰もが良かれと思っているわけなのですが、
全ての人の善意のエネルギーが最善有効に作用する結果となるような
「しくみ」であることが、
一番いいことだと、思います。

ところで「はらぺこあおむし」。
こう考えるとやはり奥の深い作品ですね。
ジャンクなものを目いっぱい食べても、
自然の本能で葉っぱを食べて浄化して、
たっぷり眠って蝶になる。
さなぎの頃が、一番大切なのかも知れないですね。

人も、そうなのでしょうね。

ただいろんなもの詰め込みすぎて
本能が作用するすき間が
無くなったりしたらさみしいですが、
何かあったとき、
自分だけが悪いんじゃないんだから、
ちょっとゆっくり自分を守ることも
いいと思います。
そこからまた、
自分の足りないところを考えていけばいいんじゃないかな。

次郎は、三郎の様子を見て、
中学生の頃の自分を思い出すのか、
ちょっと何というか、
反復作業ができるという点で良いみたいです。



by thuchinouta | 2017-09-25 21:14 | diary