月がキレイデスネー

今日は月がきれいでした。

夕方の5時45分。
三兄弟を車に乗せて発進したとき
ツルもきれいな上弦の月。

助手席の次男が
「月がキレイデスネー」
と照れ隠しな言葉遣いで言うので、
それこそ月並みな返事も面白くないと思い、
「この私に、アイラブユーですか?」
と答えると、
「はんっ、ボクは夏目漱石ではアリマセンのでナ。」
と。

後部座席では今撮りたての月の写真を
カメラのディスプレイで確認する長男、三男。
そして長男、無言で私にその画像を見せる。
見せたいのです。
自分で撮った月を。

でもしゃべらない。
シャーペンについて電話で話した以来、
会話なし。

きれい!
とだけコメントすると満足そうにしていました。

三男は相変わらず中二病進行形で、
顔を見ただけで、「何?」と。
そんな三男を、長男ときどき締め上げる。
何か私が三男のためにしたことを
三男がうっとおしがったりしたら、
長男、三男の胸ぐらつかんで、
「違うやろ?してもらったん、やろ!?」

だから、長男とは会話はないけど
間接的に、
私のことは一応尊重はしてくれてるみたいです。
私と話すと甘えが出ると思っているのかも。


車を走らせていたら
次男が用意したCDから手島葵の歌声が。

夕闇迫る雲の上
いつも一羽で飛んでいる
鷹はきっと悲しかろう
音も途絶えた風の中
空を掴んだその翼
休めることはできなくて

心を何にたとえよう
鷹のようなこの心
心を何にたとえよう
空を舞うような悲しさを

雨のそぼ降る岩陰に
いつも小さく咲いている
花はきっと切なかろう
色も霞んだ雨の中
薄桃色の花びらを
愛でてくれる手もなくて

心を何にたとえよう
花のようなこの心
心を何にたとえよう
雨に打たれる切なさを


手島葵はウィスパーボイスで
小さくささやくように歌うので、
言葉のひとつひとつが際立ちます。

始めは私も一緒に口ずさんでいましたが
あかん・・・。
祖母が亡くなって、涙は出ませんでしたが、
こういう何気ないところで、
あかんのですね。

歌が、続かなくなって、
前が見えにくくなって、
私が黙り込んでたら、
代わりに次男が歌いだして。

次の曲は山口百恵の秋桜。
これもあかんやん!

この頃~涙~もろく~なった母が~
庭先でひとつ~咳をする~

私、ここんとこ咳止まらないし!

ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もうすこしあなたの子どもで
いさせてください

次男熱唱。
アンタさー、
私の気持ち知っててやってるの?
真面目そうな顔して
案外女心をもてあそぶわね。

相生駅について、
長男は やはり無言で下車、
陸橋にて友達とばったり遭遇、
すれ違いざまに、お互い手を上げて「よっ!」とあいさつ。
そんな姿を数十秒眺めて車を発進。

時間にしたら15分かそこらの出来事ですが、
忘れたくない一瞬一瞬で、
この年齢になってもこんなふうに刹那的に感じることが
まだまだあるんだなあって。













by thuchinouta | 2017-11-22 00:15 | diary